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──人間なんてちっぽけな存在、人間同士が醜く争うなんて馬鹿馬鹿しいと思わないかな?──    ※ブログ記事の内容に対して、及びリンク連絡以外のコメントはお控え下さい。関係無い内容のコメントに関しては此方から削除させて頂きます。
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 (※本館「Blast Burn!」の小説をご覧になっている方推奨です)

 「はい、後は診療所でね」
 大体の処置を手際良く終え、フィオラが救急箱を閉じる。気を失っていたユウダイもいつの間にか起きていて、フィオラに感謝の言葉を述べている。観衆は大分減った様子だ。
「ところで歩け……そうにないわね、誰か手伝って頂戴」
「ドンすけ、頼む」
 唐突なキャプテンからの提案。
「え、俺すか?」
「ウィンやミストに任せるのはユウダイが酷だろう、それとも何だ、私に押し付けるとでも言うのか?」
 ボルタの鋭い声が飛んでくる。「わーったよ、わーった」とドンすけは肩を竦めながら渋々引き受けた。ボルタに言われては堪ったものではない。
「ほらユウダイ、肩貸せ」
「……悪いな」
 ユウダイは元気が無さそうだった。候補の一番手だったこともあり、負けたショックは大きいのだろう。覇気の無い彼を支えて歩き出しながらドンすけは呟く。
「──お前ぇは頑張ったよ、冷静だったじゃねぇか」
「………」
 彼は答えない。ドンすけは溜め息を吐く。
「今はゆっくり休め、……な?」
「……あぁ」
 そのままゆっくりと去っていった彼の大きな背中は小さかった。
 ポケモンバトルにおける敗者。この日、本当の意味でそれを目の当たりにしたのは初めてだった。負けた、勝った、だけでは終わらない感情。ガーリィは身に染みるような想いだった。
「で、だ」
 ウィンは向き直る。「重症なのは──むしろ此方だな」
 
 其処には、ガタガタと身体を震わせるホーンの姿があった。
 
 
「……で、どうなんだよ、アイツは」
 その日の夕方、湖の前でドンすけとガーリィが話していた。
「分かんない、バトルの最中は全くその気が無かったんだけど」
 それは本当に急だった。バトルを終え、満身創痍だったホーンに駆け寄った時、ぜぇはぁと息を荒げて俯いていた彼の目は、地面も何も見ているような視線ではなかった。バトル後すぐということもあり、まだ落ち着かないのかとその時は思っていた。が、暫く経っても呼吸は荒げ、目の焦点は合わず、そして身体は小刻みに震えたままだった。「大丈夫?」という問いかけにも反応する素振りが無く、心ここにあらずな様子だった。それを見て流石におかしいと感じたフィオラが診療所へと引き入れることになった。そして診断された結果は──
「トラウマ、……あんなに酷かったんだね」
 ホーンの事を考えると無性に胸がそわそわして、静けさを取り戻した村の明かりさえやけに遠く感じられる。落ち着けなくて水面に石を蹴り入れた。
「……俺の所為、かもしれねぇ」
 浮かない顔でドンすけは呟く。水面には波紋が広がっていった。
「もしかしたら大丈夫じゃねぇかって思ってたんだ、淡い期待をアイツにかけちまってた。だから無理に頑張って──」
「それは違うよ」
 ガーリィは首を振った。
「ホーンは自分の為に頑張りたいんだって、ドンすけが期待したからとか、そんなんじゃ」
「……いつ言ったんだよ」
「聞いた訳じゃないけど」
 口を尖らせる。「……目が何となく」
「心を読んだっつーのかよ」
 不満そうな口ぶり。けれどそれで納得したようだった。
「まぁ、それならそれで良いけどよ」
 月に雲がかかる。秋晴れの夜空には星が綺麗に輝いていた。
「……ホーンが明日までに何とかならなかったらどうなるの?」
「その時はリーフに決まるだろうよ」
 確信はねぇけどな、と断言は避けた。
「……リーフが、それで納得するのかな」
 ドンすけの顔は見ない。ただ空を見上げたまま呟く。
「さぁ、な」
 きっと浮かない表情のままだったのだろう。声で分かる。
 どうなっちゃうんだろう、そう不安に思うも、自分にはどうしようも出来ない事実が其処に転がっていることを、小さな存在であるガーリィは思ったのだった。
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プロフィール
HN:
餅 雅李音(ガーリィ)
年齢:
34
HP:
性別:
男性
誕生日:
1989/06/07
職業:
大学院生
趣味:
ポケモン、恐竜、将棋、麻雀、      絵描き、小説書き             (※創作全般に興味あり)
自己紹介:
ひたすら Going my way な道産子で関東圏の古生物専攻大学院生。
日本で数少ない地学系統に入る為に1年を平気で棒に振るようなお馬鹿さん。
将来の夢は古生物学者兼小説家。
平凡な人生を嫌う、My pace な駄犬。最近ドラゴン。
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