──人間なんてちっぽけな存在、人間同士が醜く争うなんて馬鹿馬鹿しいと思わないかな?──
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(※本館「Blast Burn!」の小説をご覧になっている方推奨です)
逆転への作戦を考えるのは得意分野だった。
冷静になって考えてみる。ユウダイはホーンの得意技を封じに来ている。だからこそ一定の距離を維持している。これ以上近ければ近接攻撃を受けるし、これ以上遠ければ“ころがる”をしてきた時に受け止め切れない。まさにベストポジションを彼は選択した。他の技など要らない。ホーンへの最良の策だと言えるし、無理をしないのが何よりも利点。有利な時程無茶はしないのは鉄則だ。
だが鉄板とも思えるこの策は、ユウダイにとってもあるリスクをもたらしていた。ミストの忠告で落ち着いたガーリィはすぐその事に気がついた。力任せに“ころがる”を受け止め続けている影響か、踏ん張る後ろ足に疲労が蓄積していたのだ。時折体勢を立て直しているのがその証拠。幾ら加速の足りない“ころがる”とはいえ、確実にダメージを与えていた。
「ホーン! “じしん”だ! 足場を崩して!」
その叫びでハッとしたホーンは、すぐさま二本の前足を大きく上げ、地面に向かって振り下ろした。瞬間、バトル場全体が揺れる。観客が突然の事に慌てる。
「わっ」
勿論慌てたのは観客だけではない。ユウダイもだ。予想だにしていなかった突然の“じしん”にバランスを崩し、転倒。やはり後ろ足の疲労の為か、すぐ起き上がれない。追撃の言葉が飛ぶ。
「今だよホーン!」
今しかない。まさに今しかなかった。続けて“ころがる”を開始し、今度は直接ユウダイへと向かわずその周りを大回りする。一気に加速していく。そして立ち上がったばかりのユウダイに向かって猛スピードで突っ込んでいく。
「いっけぇぇぇぇぇ!」
クリーンヒット。どてっ腹に命中し、大きなラグラージの身体が宙に浮く。速度が速度なだけに衝撃も大きかった。ずしゃっと力なく地面に落ちる。歓声が上がった。
その後も更に“ころがる”による攻撃が続く。連続で当たれば当たる程威力が上がっていくのが“ころがる”の特徴。つまり速度も上昇していくのだ。立ち上がる間もなく次々とヒットする攻撃にユウダイは成す術が無かった。
一発、二発、三発──ドスッ、ガスッと鈍い音が聞こえる。ほとんどたこ殴りの状況だ。スピードが上がり過ぎて上手く制御出来なくなったのか、五発目がようやく外れた。ホーンは回転を止めて元の定位置に滑りながら戻る。地面を滑って砂埃が舞う。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
怒涛の攻撃はホーンの必死さの表れ。無我夢中、躍起になっていた。あれだけ回転したのに目が回っている素振りは見せず、倒れこんだユウダイをじっと睨み付けていた。
(此処までやるとは──な)
去り際に見ていたミストは先程の助言を思い出す。
(もしかすれば、もしかするかもな)
そして今度こそその場を立ち去った。──バトルはまだ続いていた。
冷静になって考えてみる。ユウダイはホーンの得意技を封じに来ている。だからこそ一定の距離を維持している。これ以上近ければ近接攻撃を受けるし、これ以上遠ければ“ころがる”をしてきた時に受け止め切れない。まさにベストポジションを彼は選択した。他の技など要らない。ホーンへの最良の策だと言えるし、無理をしないのが何よりも利点。有利な時程無茶はしないのは鉄則だ。
だが鉄板とも思えるこの策は、ユウダイにとってもあるリスクをもたらしていた。ミストの忠告で落ち着いたガーリィはすぐその事に気がついた。力任せに“ころがる”を受け止め続けている影響か、踏ん張る後ろ足に疲労が蓄積していたのだ。時折体勢を立て直しているのがその証拠。幾ら加速の足りない“ころがる”とはいえ、確実にダメージを与えていた。
「ホーン! “じしん”だ! 足場を崩して!」
その叫びでハッとしたホーンは、すぐさま二本の前足を大きく上げ、地面に向かって振り下ろした。瞬間、バトル場全体が揺れる。観客が突然の事に慌てる。
「わっ」
勿論慌てたのは観客だけではない。ユウダイもだ。予想だにしていなかった突然の“じしん”にバランスを崩し、転倒。やはり後ろ足の疲労の為か、すぐ起き上がれない。追撃の言葉が飛ぶ。
「今だよホーン!」
今しかない。まさに今しかなかった。続けて“ころがる”を開始し、今度は直接ユウダイへと向かわずその周りを大回りする。一気に加速していく。そして立ち上がったばかりのユウダイに向かって猛スピードで突っ込んでいく。
「いっけぇぇぇぇぇ!」
クリーンヒット。どてっ腹に命中し、大きなラグラージの身体が宙に浮く。速度が速度なだけに衝撃も大きかった。ずしゃっと力なく地面に落ちる。歓声が上がった。
その後も更に“ころがる”による攻撃が続く。連続で当たれば当たる程威力が上がっていくのが“ころがる”の特徴。つまり速度も上昇していくのだ。立ち上がる間もなく次々とヒットする攻撃にユウダイは成す術が無かった。
一発、二発、三発──ドスッ、ガスッと鈍い音が聞こえる。ほとんどたこ殴りの状況だ。スピードが上がり過ぎて上手く制御出来なくなったのか、五発目がようやく外れた。ホーンは回転を止めて元の定位置に滑りながら戻る。地面を滑って砂埃が舞う。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
怒涛の攻撃はホーンの必死さの表れ。無我夢中、躍起になっていた。あれだけ回転したのに目が回っている素振りは見せず、倒れこんだユウダイをじっと睨み付けていた。
(此処までやるとは──な)
去り際に見ていたミストは先程の助言を思い出す。
(もしかすれば、もしかするかもな)
そして今度こそその場を立ち去った。──バトルはまだ続いていた。
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プロフィール
HN:
餅 雅李音(ガーリィ)
年齢:
35
HP:
性別:
男性
誕生日:
1989/06/07
職業:
大学院生
趣味:
ポケモン、恐竜、将棋、麻雀、 絵描き、小説書き (※創作全般に興味あり)
自己紹介:
ひたすら Going my way な道産子で関東圏の古生物専攻大学院生。
日本で数少ない地学系統に入る為に1年を平気で棒に振るようなお馬鹿さん。
将来の夢は古生物学者兼小説家。
平凡な人生を嫌う、My pace な駄犬。最近ドラゴン。
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